「便秘と呼吸」 動かないお腹に“空気”を通す整体師の視点~横隔膜・迷走神経・腹腔内圧から読み解く整体的アプローチ~
- 整骨院 天真堂
- 2 日前
- 読了時間: 3分
どうも、天真堂です。
「食物繊維も摂ってるし、水も飲んでる。なのに、出ないんです…」
そんな声を聞くこと、けっこう多いです。
でもね、実は便秘の原因って、腸だけの問題じゃないんです。
今日は整体師&オステオパシー視点で、「便秘と呼吸の密接なつながり」についてお話します。
■ 便秘=腸の問題、だけじゃない?
患者さん(40代・女性):
「毎朝ヨーグルトも食べてるのに…出ないと1日ずっとお腹が重くて」
天真堂:
「それ、“腸が動かない”というより、“動けない環境”になってるのかもしれません」
オステオパシーでは、「構造が整えば、機能は回復する」という考え方がベース。
つまり、“腸そのもの”よりも、腸がちゃんと動ける空間と神経系の調和が大切なんです。
■ 横隔膜=腸のポンプ
呼吸の主役である「横隔膜」は、胸とお腹を分けるドーム状の筋肉。
でもこれ、ただの呼吸筋じゃないんです。
呼吸のたびに横隔膜が上下することで、腹腔内の臓器(腸・胃・肝臓など)に優しく圧がかかる=内臓マッサージ効果が生まれます。
✅ 息を吸う → 横隔膜が下がる → 腸が押される
✅ 吐くとき → 横隔膜が戻る → 腸がゆるむ
この“圧と開放”のリズムがぜん動運動(腸の動き)を自然に促しているんです。
■ 呼吸が浅くなると、腸も止まる?
ストレスや姿勢不良で呼吸が浅くなると──
横隔膜が動かない
腹腔内圧が低下
内臓への刺激が消える
腸が「動かされない」状態に
結果として、動かない腸→停滞→便秘という流れに。
■ 迷走神経と“腸と脳のパイプライン”
もうひとつのキーポイントは「迷走神経」。
これは脳から腸までつながっている、自律神経の“大動脈”的存在。
呼吸を整えることで副交感神経(=リラックス&消化担当)が優位になり、
迷走神経の伝達がスムーズになることで腸の動きが復活します。
天真堂:
「だから、“吐く息を意識する”だけでも、迷走神経が刺激されて腸が目覚めるんですよ」
■ オステオパシーでは“腸を揉まない”理由
オステオパシーでは、便秘に対して腸を直接押したり揉んだりはあまりしません。
理由はシンプルで、
腸は「動かすもの」じゃなく、「動く環境を整えるもの」だから。
実際に行うのは、
背骨のアライメントを整える(交感神経節の解除)
横隔膜と腹筋のリズム調整
骨盤内の血流促進
肋骨・胸郭の可動性改善
こういった**“構造のゆるみ”を作ってから、腸に委ねるアプローチ**が基本です。
■ 今日からできる、呼吸アプローチ
【お腹のポンプ起動法】
仰向けになって、おへそに手を当てる
鼻から4秒吸う → 口から6秒かけてゆっくり吐く
吐くときにお腹の奥がスーッと沈む感覚があればOK!
→ 1日2セットで、横隔膜の上下運動を取り戻す練習に。
【背中ほぐし+深呼吸】
・イスに浅く腰掛けて背中を丸め、深呼吸×5回
→ 自律神経の中枢がある「胸椎6〜9番」にアプローチできるポジションです。
患者さん:
「薬に頼らず、呼吸でこんなにお腹が軽くなるなんて…」
天真堂:
「身体ってちゃんと“動ける環境”さえ整えれば、自然と回復するんですよ」
【まとめ】
横隔膜は呼吸筋であり、腸の“天然ポンプ”でもある
呼吸が浅い=腹圧低下=腸の活動もストップ
自律神経(特に迷走神経)と腸は強くつながっている
オステオパシーでは腸を動かすより、“環境を整える”発想
呼吸を深めることで、腸もゆるみ、自然とリズムを取り戻す