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「便秘と呼吸」 動かないお腹に“空気”を通す整体師の視点~横隔膜・迷走神経・腹腔内圧から読み解く整体的アプローチ~




どうも、天真堂です。




「食物繊維も摂ってるし、水も飲んでる。なのに、出ないんです…」

そんな声を聞くこと、けっこう多いです。


でもね、実は便秘の原因って、腸だけの問題じゃないんです。

今日は整体師&オステオパシー視点で、「便秘と呼吸の密接なつながり」についてお話します。






■ 便秘=腸の問題、だけじゃない?


患者さん(40代・女性):

「毎朝ヨーグルトも食べてるのに…出ないと1日ずっとお腹が重くて」


天真堂:

「それ、“腸が動かない”というより、“動けない環境”になってるのかもしれません」




オステオパシーでは、「構造が整えば、機能は回復する」という考え方がベース。

つまり、“腸そのもの”よりも、腸がちゃんと動ける空間と神経系の調和が大切なんです。




■ 横隔膜=腸のポンプ


呼吸の主役である「横隔膜」は、胸とお腹を分けるドーム状の筋肉。

でもこれ、ただの呼吸筋じゃないんです。


呼吸のたびに横隔膜が上下することで、腹腔内の臓器(腸・胃・肝臓など)に優しく圧がかかる=内臓マッサージ効果が生まれます。


✅ 息を吸う → 横隔膜が下がる → 腸が押される

✅ 吐くとき → 横隔膜が戻る → 腸がゆるむ


この“圧と開放”のリズムがぜん動運動(腸の動き)を自然に促しているんです。




■ 呼吸が浅くなると、腸も止まる?


ストレスや姿勢不良で呼吸が浅くなると──


  • 横隔膜が動かない

  • 腹腔内圧が低下

  • 内臓への刺激が消える

  • 腸が「動かされない」状態に



結果として、動かない腸→停滞→便秘という流れに。




■ 迷走神経と“腸と脳のパイプライン”


もうひとつのキーポイントは「迷走神経」。

これは脳から腸までつながっている、自律神経の“大動脈”的存在。


呼吸を整えることで副交感神経(=リラックス&消化担当)が優位になり、

迷走神経の伝達がスムーズになることで腸の動きが復活します。


天真堂:

「だから、“吐く息を意識する”だけでも、迷走神経が刺激されて腸が目覚めるんですよ」




■ オステオパシーでは“腸を揉まない”理由


オステオパシーでは、便秘に対して腸を直接押したり揉んだりはあまりしません。


理由はシンプルで、

腸は「動かすもの」じゃなく、「動く環境を整えるもの」だから。


実際に行うのは、


  • 背骨のアライメントを整える(交感神経節の解除)

  • 横隔膜と腹筋のリズム調整

  • 骨盤内の血流促進

  • 肋骨・胸郭の可動性改善



こういった**“構造のゆるみ”を作ってから、腸に委ねるアプローチ**が基本です。




■ 今日からできる、呼吸アプローチ




【お腹のポンプ起動法】


  1. 仰向けになって、おへそに手を当てる

  2. 鼻から4秒吸う → 口から6秒かけてゆっくり吐く

  3. 吐くときにお腹の奥がスーッと沈む感覚があればOK!



→ 1日2セットで、横隔膜の上下運動を取り戻す練習に。




【背中ほぐし+深呼吸】


・イスに浅く腰掛けて背中を丸め、深呼吸×5回

→ 自律神経の中枢がある「胸椎6〜9番」にアプローチできるポジションです。




患者さん:

「薬に頼らず、呼吸でこんなにお腹が軽くなるなんて…」


天真堂:

「身体ってちゃんと“動ける環境”さえ整えれば、自然と回復するんですよ」




【まとめ】


  • 横隔膜は呼吸筋であり、腸の“天然ポンプ”でもある

  • 呼吸が浅い=腹圧低下=腸の活動もストップ

  • 自律神経(特に迷走神経)と腸は強くつながっている

  • オステオパシーでは腸を動かすより、“環境を整える”発想

  • 呼吸を深めることで、腸もゆるみ、自然とリズムを取り戻す



 
 
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